遺言と遺言代用信託、遺言信託の違い

「遺言」や「信託」とつく言葉がいくつかあります。同じ言葉でも意味が異なるものもありますので、ここでは遺言と遺言代用信託、そして遺言信託の違いを説明します。

 

遺言とは

遺言は、本人が自分の死亡後における財産の分割内容の希望を、自筆(自筆証書遺言)や公正証書(公正証書遺言)、その他の方式で作成するものです。

本人が亡くなった後、遺言内容に基づいて指定された相続人等に財産が引き継がれます。

 

遺言代用信託とは

遺言代用信託は、家族信託の形態の一つで、特に委託者の死亡後に受益者が信託財産からの利益を受ける場合の信託をいいます。

家族信託の一類型であるため、委託者は生前に受託者(財産を管理処分する人)との信託契約を結び、亡くなった後に受益者(委託者の財産の利益を受ける人)に対して、どの財産からどのような利益を得させるかを定めておく必要があります。

 

遺言信託

遺言信託には2つの意味合いがあり、一つは信託銀行・信託会社が売っている商品(「遺言信託」という商品名で売られている)を指します。この「遺言信託」という商品は、①公正証書遺言の文案作成、②作成された公正証書遺言の保管、③本人が死亡したら信託銀行・信託会社が遺言執行者として手続きをすすめる、という3つの仕事をセットで引き受ける業務に対し「遺言信託」という名前を勝手につけてるだけのことで、信託法の「信託」とは全く関係ありません。

もう一つは、設定する信託の内容を生前の契約ではなく、遺言書において定めておくという信託の設定方法を指し、委託者が亡くなった時に信託の効力が発生する家族信託の形態の一つです(こっちは本当の信託です。)。

この2つの遺言信託は同じ呼称でも意味合いが全く異なりますので、ご注意ください。

 

遺言と遺言代用信託の違い

遺言と遺言代用信託の一番の違いは、その確実性にあります。

遺言書を作成しても、相続人全員が合意すれば、遺言に書かれた内容が実行されずに、相続人によって遺言書の内容と異なる遺産分割がされてしまうことも起こりえます(詳しくは次ページ参照)。

一方、遺言代用信託は、確実に内容を実行することができます。

また、遺言代用信託では、信託の開始を「委託者の死後もしくは認知症になったとき」として契約を結んでおくことにより、本人が認知症になった時点で財産管理を受託者に移すという設計も可能です。

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